造園ナビ
庭づくりガイド

台風・強風に備える庭木の点検|備え方と、通過したあとの見まわり

造園ナビ編集部

強い風が来ると分かってから、庭でできることは多くありません。鉢を寄せ、飛ぶものを片づけ、あとは待つ。 庭木そのものに対してできることは、ほとんどが前もって済ませておく類のものです。 このページでは、風に弱い木をどう見分けるのか、直前にやってよいことと避けたいこと、そして風が通り過ぎたあとに何をどの順で見るのかを整理します。

強い風で傷むのは、弱っている木とは限らない

枯れかけた木が倒れるのは分かりやすい話です。実際に困るのは、元気に見えていた木が傾いたり、太い枝が裂けたりする場合です。 葉が青々としていることと、風に耐えられることは別の条件で決まります。

風に対する強さを決めるのは、おおむね三つです。根がどれだけ広く土をつかんでいるか、枝の付け根がどういう形でつながっているか、 そして葉がどれだけ風を受けるか。よく茂った木は、それだけ受ける力も大きくなります。地面がやわらかい場所では、根の側から先に限界が来ます。

見るべきは葉の色ではなく、根元の地面と枝の付け根です。どちらも、風が来ていないときのほうがよく見えます。 点検は、穏やかな日にやっておく作業です。

風の前に見ておきたい庭木の状態

  1. 01

    幹の根元と、まわりの地面

    風で木が倒れるとき、折れるのではなく根ごと傾くことがあります。前ぶれとして、幹の根元と地面の間に隙間ができていたり、片側の地面がわずかに盛り上がっていたりします。普段から根元を見ておくと、この変化に気づけます。地面が常に湿っていて土がやわらかい場所は、支える力そのものが弱くなります。

  2. 02

    枝の付け根の形

    幹から鋭い角度で立ち上がっている枝は、付け根に負荷が集中しやすく、風で裂けることがあります。二股に分かれて同じくらいの太さで伸びている幹も同様です。すでに付け根に割れが入っているものは、強い風を待たずに手を打つ対象になります。

  3. 03

    枯れた枝が残っていないか

    葉が出ていない枝、触るともろい枝は、風で折れて飛びます。自分の庭に落ちるだけならよいのですが、隣家の屋根や道路へ飛ぶと話が変わります。枯れ枝は風の有無にかかわらず落とす対象で、季節を選ばず手を入れられる部分です。

  4. 04

    葉が茂りすぎていないか

    葉は風を受ける面です。枝葉が密に詰まっているほど、木全体が受ける力が大きくなります。風が抜けるように枝を透かしておくと負荷は減りますが、これは適期を選んで行う作業で、風が来る直前にやることではありません。

  5. 05

    支柱や結束の状態

    植えてから間もない木や、傾きを直すために支柱を添えている木は、支柱そのものが効いているかを見ます。結束が緩んでいないか、幹に食い込んでいないか、支柱の根元が腐っていないか。支柱が折れれば、木ごと持っていかれます。

  6. 06

    建物や塀との距離

    倒れたときにどこへ向かうか。屋根、窓、塀、駐車中の車、電線。木の高さと、その方向にあるものを見比べておきます。距離が足りない木は、風のたびに気を揉むことになります。根本的には木の側を小さくするか、位置を考え直すかの判断になります。

地面が常に湿っている場合、根の張り方そのものに影響します。原因の切り分けは庭の水はけが悪いときの原因と対処で扱っています。

直前にできることと、やらないほうがよいこと

時間が限られているときほど、効果のはっきりしたものから手を付けます。木そのものに大きく手を入れるのは、この段階でやることではありません。

できる:鉢やプランターを動かす

背の高い鉢は倒れ、軽い鉢は転がります。壁ぎわに寄せる、地面に下ろす、室内や物置に入れる。短時間でできて効果がはっきりしている備えです。まとめて置くと互いに支え合います。

できる:落ちそうなものを片づける

支柱の予備、シート、じょうろ、椅子、物干し竿。庭に出しっぱなしのものは、そのまま飛ぶものになります。近所の家に当たれば庭木以上の問題になります。

できる:排水の出口を確認する

落ち葉や土で排水の出口が詰まっていると、雨がそのまま庭に溜まります。ます(雨水の受け口)の上に物が載っていないか、周囲に落ち葉が積もっていないかを見ておきます。庭の水はけそのものの話は別ページで扱っています。

できる:すでに折れかけた枝を落とす

付け根が裂けて垂れ下がっている枝は、放っておけば風で確実に落ちます。手の届く高さで安全に取れるなら、先に落としておきます。高いところにあるなら、無理をせず相談する対象です。

避けたい:直前の強い剪定

風を通すために大きく切る、という発想はありますが、直前にまとめて切るのは木への負担が大きく、切り口も残ります。枝を透かす作業は木ごとの適期があり、前もって計画して行うものです。差し迫ったときにできるのは、危険な枝を落とすところまでです。

避けたい:幹に強く縛りつける

倒れないようにと幹をロープで強く締めると、樹皮を傷めます。傷んだところは後から枯れ込みの入口になります。支えが必要なら、当て木をして幹を保護したうえで結ぶのが基本です。判断がつかない場合は、風が過ぎてから相談してください。

木以外に、庭で飛ぶもの

庭木の心配をしている間に、実際に被害を出すのは軽いものだったという場合があります。庭に置いてあるもののうち、風で動く可能性があるものを一度見渡してください。

  • -

    鉢・プランター・鉢皿。背の高いものほど倒れやすく、皿は単体で飛びます。

  • -

    支柱・園芸用のポール・巻いたホース。細長いものは遠くまで飛びます。

  • -

    防草シートやマルチング材。固定が甘いとめくれ上がり、砂利や樹皮片も動きます。

  • -

    物干し竿・折りたたみ椅子・踏み台。屋外に出したままにしやすいものです。

  • -

    ゴミの収集を待っている袋。中身が軽いほど飛びます。収集日と重なるときは特に注意します。

  • -

    簡易なフェンス・よしず・すだれ。面で風を受けるため、固定の強さ以上の力がかかります。

剪定や草刈りを終えた直後に強い風の予報が出ている場合、切ったものをどう置いているかも確認してください。 袋詰めの状態や置き場所の考え方は剪定枝・刈った草の処分方法にまとめています。

通過したあとの見まわり

風がやんでも、庭がそのまま安全になるわけではありません。順番を守って見ていきます。

  1. 01

    まず、離れた場所から全体を見る

    木の下に入る前に、距離を取って見上げます。折れて引っかかったままの枝、垂れ下がっている枝、傾いた幹。真下に立ってから気づくのでは遅い種類のものです。

  2. 02

    幹の傾きと、根元の地面

    風の前と比べて傾いていないか。根元の地面に隙間や割れ、盛り上がりが出ていないか。地面が動いた跡がある木は、次の風で倒れる可能性があります。見た目に葉が茂っていても、支えが失われていることがあります。

  3. 03

    枝の付け根の裂け

    折れずに残っていても、付け根が裂けている枝があります。時間が経つとそこから腐りが入ります。裂けた枝は放置せず、どう処置するかを決める対象です。

  4. 04

    葉の変色

    海に近い地域では、潮を含んだ風で葉が茶色く変色することがあります。病気や虫とは原因が違うため、対処も変わります。広い範囲の葉が同じように一方向から傷んでいる場合は、風そのものの影響を疑います。

  5. 05

    地面と排水の状態

    雨で土が流れていないか、水が引かずに残っていないか。根が長く水に浸かる状態は、木を弱らせます。排水の出口に落ち葉や枝が詰まっていれば取り除きます。

  6. 06

    塀・フェンス・構造物

    木が寄りかかっていないか、フェンスが押されて傾いていないか。隣地との境にあるものは、自分だけで直せない場合があります。状態を写真に撮っておくと、後の話が早くなります。

隣家との境にあるものが傷んだ場合、どこまでが自分の判断で動かせる範囲かは別の問題になります。境界をまたぐ枝や根の扱いは隣家にはみ出した庭木の枝と根で整理しています。

自分で触ってはいけない状態

電線に触れている、近い枝

折れた枝が電線に掛かっている場合、自分で触らないでください。距離が近いだけでも危険です。電力会社への連絡が必要になる場面があり、業者に頼む場合もこの点は先に伝える必要があります。

高い位置に引っかかったままの枝

落ちきらずに枝の間に留まっている枝は、いつ落ちるか分かりません。脚立を立てて突く、というやり方は最も事故が起きやすい形です。高さがあるものは道具の問題ではなく、下に入らないことが先です。

傾いた大きな木

傾いた木は、切る順番を誤ると一気に倒れます。どちら側に倒れる力がかかっているかの判断が要る作業です。建物や道路に向かって傾いているなら、近づかずに相談してください。

屋根の上や、建物に載ったもの

屋根に登っての作業は、庭仕事の範囲を超えます。濡れた屋根は特に滑ります。庭木が原因であっても、建物の上のことは別の相手に頼む対象です。

毎年くり返さないための考え方

大きさを止めるという選択

毎年ひやひやするなら、木の側を小さく保つ方向に切り替える判断があります。ただし一度で小さくすると木は弱ります。数年かけて少しずつ移す形になるため、早めに相談を始める意味があります。

植える位置と樹種を見直す

建物や塀に近すぎる木は、大きくなるほど選択肢が減ります。これから植えるなら、成長後の大きさを見込んだ位置取りが効きます。品種ごとの性質はシンボルツリーや手入れが楽な庭木のページで扱っています。

風が来る前の時期に点検を組み込む

強い風は季節が偏ります。その前の時期に、枯れ枝を落とす・支柱を見る・排水の出口を確認する、をまとめて済ませておくと、直前に慌てずに済みます。年間の作業の組み立てはメンテナンスカレンダーにまとめています。

混み合う時期を避けて相談する

風が来る直前と、通り過ぎた直後は、同じ相談が各所から集まります。緊急性がない点検であれば、時期をずらしたほうが日程を取りやすくなります。日程の組み方については北九州のページで整理しています。

品種ごとの性質はシンボルツリーおすすめと手入れが楽な庭木おすすめ、年間の組み立ては庭木の年間メンテナンスカレンダーにまとめています。

よくある質問

Q. 台風が近づいてから、庭木に対してできることはありますか。

A. できるのは、鉢やプランターを動かす、飛ぶものを片づける、排水の出口を確認する、すでに折れかけている枝を手の届く範囲で落とす、というあたりまでです。枝を大きく透かして風を通すという考え方はありますが、それは適期を選んで前もって行う作業で、直前にまとめて切ると木への負担が大きくなります。

Q. 風が通り過ぎたあと、何から見ればよいですか。

A. まず木の下に入らず、離れた場所から全体を見上げてください。引っかかったままの枝や垂れ下がった枝がないかの確認が先です。そのうえで、幹の傾き、根元の地面の隙間や盛り上がり、枝の付け根の裂け、葉の変色、排水の状態、塀やフェンスの傾きを順に見ていきます。

Q. 葉が一斉に茶色くなりました。病気でしょうか。

A. 強い風のあとであれば、風そのものの影響である可能性があります。海に近い地域では、潮を含んだ風で葉が変色することがあります。病気や虫が原因の場合は、症状の出方や広がり方が違います。葉や枝の症状の見分け方は庭木の害虫と病気のページで扱っています。判断がつかない場合は、状態を写真に撮って相談してください。

Q. 折れた枝が電線に掛かっています。どうすればよいですか。

A. 自分で触らないでください。距離が近いだけでも危険です。電力会社への連絡が必要になる場面があり、庭の業者に頼む場合も、電線が関わることは最初に伝えてください。屋根の上に載ったものについても、庭仕事の範囲を超える作業になります。

Q. 倒れそうな木を切ってもらいたいのですが、緊急でも来てもらえますか。

A. 対応できるかどうかは相手と状況によります。掲載サービスの中には、コールセンターが24時間365日受付していると公表しているところがあります。ただし受付の時間帯と、実際に作業に来られる日は別です。風が通り過ぎた直後は相談が集中するため、待つことになる場合があります。建物や道路に向かって傾いている木は、近づかずに状態を伝えてください。

あわせて読みたい

高いところの枝や、傾いた大きな木は、自分で手を出さないことが前提になります。状態を伝えて相談してみてください。

掲載サービスを比較する

本ページにはPR(広告)を含む場合があります。掲載情報は2026年9月25日時点のものです。